北欧家具のデザイナー
北欧家具の魅力の一つ、数多くの有名デザイナーの作品が多いということがあります。そこで、主だったデザイナーをご紹介しましょう。
ハンス J ウェグナー(1914年~2007年)
1914年ドイツに生まれ、13歳から家具職人の下で修行を始める。1931年、17歳の時に指物師のマイスターの資格を取得。その後、国立産業研究所に通い、木材について専門に研究しながら、20歳のまで家具職人の下で修行をする。兵役終了後、23歳の時コペンハーゲン美術工芸学校に入学。家具設計を専攻した。卒業後、1940年から1943年までヤコブセンの事務所などで経験を積み、オルフス市庁舎の家具デザインを担当して有名になった彼は、1946年に独立。コペンハーゲン美術工芸学校で教鞭を執りながら、デンマーク協同連合連合会家具部門のために家具デザインを行った。彼にとって最初の転機となった作品が1943年にデザインした『チャイニーズ・チェア』である。この椅子は中国の明の時代に作られた椅子を改良して生み出されたもので、その後改良を重ね量産化され、彼の代表作の一つとしても知られる。1984年にはデンマーク女王よりナイトの称号を贈られる。
アルネヤコブセン(1902年~1971年)
デンマーク生まれのユダヤ人。1924年デンマーク王立芸術アカデミーに入学する。1927年に同校を卒業した後、パウル・ホルセーの事務所に入所。1929年、フレミング・ラッセンと共にコンペに向けてモダニズムの形式をとった未来の家を発表。モダニズムの旗手の一人としてデンマーク国内において一躍注目を集め、リゾート型複合住宅、『ベラヴィスタ集合住宅』をはじめとする大規模リゾート計画を手がけた。家具デザインでは、1952年の『アント(蟻)チェア』によって確立され、その後も『スワンチェア』『エッグチェア』『セブンチェア』などの家具作品を続けて発表した。1956年に竣工したデンマーク国内初の高層ビルであるラディソンのSAS(ロイヤルホテル)では建物の設計からインテリアデザイン、照明やドアノブ、食器類などの細部までを一貫して手がけた。
ボーエ・モーエンセン(1914年~1972年)
1914年デンマークに生まれる。1934年に家具マイスターの資格を得て、家具職人としてのキャリアをスタートさせる。それと並行して1936年から1938年にかけて、コペンハーゲン美術工芸学校家具科、1938年から1941年かけて、王立芸術アカデミー家具科に在籍し家具デザインを学ぶ。デンマーク近代家具デザインの確立者であるコーレ・クリント、モーエンス・コッホに師事。王立芸術アカデミーにて教鞭を執る。1942年からはデンマーク協同連合連合会家具部門に主任として勤務。シェーカー様式の椅子をアレンジした「J-39」を発表する。1944年、友人のハンス・J・ウェグナーと共作で「スポーツバックソファ」を発表。1950年に独立、設計事務所を開設する。
コーア・クリント(1888年~1954年)
王立美術大学で建築を学び、のちに家具科の新設に伴い、初代主任教授に就任する。自然の造形や伝統的造形を分析し、そこにプロポーションの法則を見出した。この研究はデンマークモダンデザインの基礎になり、彼の教えを受けた優れたデザイナー達が1950年代のデンマーク家具黄金時代を形成した。「デンマーク近代家具デザインの父」と言われる所以である。また、伝統家具をリ・デザインするなどの功績も称えらる。
カール・マルムステン(1988年~1972年)
わずか28歳でストックホルム市庁舎家具コンペ1位に入賞。手工芸と機械生産のバランス、自然主義的装飾と機能主義デザインの融合を実践した。また、人々に自然と対話する生活デザインの本当のよさを伝えることに生涯を捧げ、自ら工場兼学校を設立し、教育者としても偉大な功績を残している。「スウェーデン家具の父」といわれる。